適当なケージを選んでしまうとハムスターが怪我をしたり、ストレスを感じてしまいます。
また、ハムスターだけではなく、人間にとってもストレスがなく鑑賞できたり、お世話できるケージであることも大事です。
この記事ではハムスターケージの選び方を紹介します。
目次
ハムスターケージの選び方
ケージを選ぶポイントは下記の通りです。この記事では下記のポイントに沿ってハムスターケージの選び方を紹介します。
- ケージの種類は適切か?
- ハムスターにとって適切なケージサイズ(大きさ)か?
- ケージを衛生的に保つことはできるか?
- ハムスターをお世話しやすいケージか?
- ハムスターを鑑賞しやすいか?
- ハムスターと接しやすいか?
ケージの種類は適切か?
ハムスターにはいくつかのケージの種類があります。
ここでは大まかには、「金網ケージ」と「水槽ケージ」と呼びましょう。
なお、ケージが金網に覆われているものを「金網ケージ」、プラスチックやガラスで覆われているものを「水槽ケージ」と呼ぶこととします。
こちらはハムキュートテラスというケージです。典型的な金網ケージと比べ、プラスチックが側面で使われていますが、金網ケージのイメージを持ってもらうには十分でしょう。
一方、水槽タイプのケージにはこういったケージです。全体がプラスチックやガラスで覆われております。
こちらはルーミィ ベーシックというプラスチック製のケージです。
上記はハムスター用のケージで、前扉からお世話をしたり、回し車や給水器といったハムスターを取り付けたりできますが、もっと汎用的ないわゆる水槽やプラケースでハムスターを飼育することも可能です。
こちらは鈴木製作所のプラケース(スーパー特大)です。
上記のようなプラケースや魚を飼うような水槽でハムスターを飼うことも珍しいことではありません。
金網ケージと水槽ケージの比較
見た目としての違いは分かったところでしょう。ではそれぞれにどのような違いがあるのか紹介していきましょう。
メリット
- 給水器や回し車の取り付けが容易。ワイヤーケージであればあまり困ることはない
- 通気性が良く、湿気やにおいがこもりづらい
デメリット
- 金網の部分をハムスターが齧ってしまう。その結果前歯を折ったり変形したりすることある。
- 金網をよじ登ってしまい、落下や隙間に足が挟んで怪我をしてしまう可能性がある
- 金網部分が多いケージは床材や砂などが飛び散りやすい
メリット
- ハムスターがよじ登ったり、足を挟めてしまう危険が少ない
- 保温しやすい
- 床材や砂が飛び散らない
デメリット
- 飼育グッズの設置バリエーションが金網比べ乏しい
- 特にスタンドない回し車は取り付けが難しい
- ガラスやアクリル製のケージは重い
メリットとデメリットは上記の通りですが、これらの意見は一般的にも良く言われることですので、一度は目にしたことがあるかもしれません。
ただし、上記のような羅列ではそのメリットやデメリットの「重要性」が良く分かりないと思います。
下記は、上記で比較した観点に「重要性」を加えたものです。
ハムスターの怪我リスク | ◎超重要 |
---|---|
通気性、保温性 | 〇重要 or △重要ではない ※飼い方に依存する |
飼育グッズの取り付けやすさ | △重要ではない |
床材や砂の飛び散るかどうか | 〇重要 |
当然ですが、怪我のリスクのないケージを選ぶことが最重要ですが、重要度についてもう少し深堀りしていきます。
ハムスターの怪我リスク
ハムスターの怪我リスクは最重要です。怪我しやすいケージは選ぶ理由がありません。
金網ケージは上記の通り、
- 金網部分を齧ることによる歯の損傷
- よじ登り落下してしまう、足を挟めてしまうなどによる怪我
が懸念されます。
ハムスターは「登る」、「降りる」といった動作が得意ではありません。得意なのは平面の移動や穴を掘るといった動作です。
誤解の無いように注意しましょう。
通気性、保温性は飼い方次第
通気性や保温性は飼い方によってその重要で変わります。
水槽タイプのケージであっても通気口はありますので、完全に密閉されている訳ではありません。
真夏や真冬にエアコンを利用して、温度管理する場合にはケージの通気性や保温性にあまり拘らなくても大丈夫です。
室温が十分にケージ内にも伝わりますので、ケージ内外の温度にそれほど誤差は出ません。
しかし、冬場などにエアコンではなく、ヒーターや断熱材などを利用して温度管理する場合には、ケージの素材により熱伝導率が変わりますので、温まり方もかなり変わってくるのではないかと考えます。
飼育グッズの取り付けやすさ
水槽ケージの場合は、金網のように自由な位置に飼育グッズを取り付けることは難しいですがあまり不便に感じることはないでしょう。
回し車もスタンド付きの製品は多いですし、給水器は天井からつるしたり、テープや吸盤で吸着させて固定できる製品があります。
また、ハムスター用ケージであれば、オプションパーツで飼育グッズをケージ側面に取り付けることができます。
もし、どうしてもケージ側面に取り付けたい飼育グッズがあるならば、ケージのオプションパーツにも目を配りケージ選びをすると良いでしょう。
材や砂の飛び散るかどうか
汚れた床材やトイレの砂が部屋に飛び散ってしまうと部屋が汚れますし、衛生上良くないので避けたいところです。
金網ケージの場合、床材や砂が飛び散りやすいですが、プラスチップ部分が高めの物を選ぶと飛び散りにくくなるでしょう。
また、水槽ケージであっても、床や側面に隙間があると飛び散ってしまうことがありますので注意しましょう。
ハムスターにとって適切なケージサイズ(大きさ)か?
ケージサイズは何でも良いわけではありません。基本的には言われているケージのサイズは下記の通りです。
こちらはいくつかの飼育本に書いてあるサイズです。
幅35cm以上 x 奥行き25cm以上 x 高さ25cm以上
幅50cm以上 x 奥行き35cm以上 x 高さ30以上
上記大きさを満たすケージを商品例で例えます。サンプルに三晃商会のルーミィシリーズを利用します。(ルーミィシリーズがおすすめとかではなく、広さの目安にするだけです)
※広さは底面サイズで判断しています。
- ルーミィ ベーシック
- ルーミィ ブルー
- ルーミィ ピンク
- ルーミィ グランスペース クリアー
- ルーミィ 60 ベーシック
- ルーミィ 60 ベーシック
といった具合です。
もちろん、ゴールデンハムスターをルーミィブルーやピンクで飼っている方が多くいることを知っていますが、ゴールデンハムスターにはやや手狭でしょう。
ケージの大きさをウェブサイトなどで参考する時は、そのサイズがどこを基準に測定されたものかに注目してみてください。
最も広いところとケージの底部では、幅と奥行きの広さが違うケージもあります
飼い主目線で言えば、もう少し補足が欲しいところですね。下記で補足します。
飼育グッズを置くことはできるか(拡張性はあるか)?
ケージ選びは手持ちの飼育グッズと今後追加導入が見込まれる飼育グッズを想像して組み合わせで考えるべきです。
ケージ選びは手持ちの飼育グッズを置けるか考慮するべき
上記ケージサイズを考慮してケージを購入したとしても、ケージに内に他の飼育グッズは収まらない可能性があります。
例えば大き目の回し車を使いたかったが新調したケージでは設置するための高さが足りないなどの懸念が発生します。
また、飼育グッズを踏み台に脱走を試みるハムスターや天井で雲梯(うんてい)をしてしまうハムスターもいるでしょう。
手持ちの飼育グッズでハムスターが登ってしまうものは、ケージの高さをハムスターの体長+登ってしまう飼育グッズを引き算するイメージで。
難しい場合は、ちょっと大きめのケージを選ぶか、無駄に高さのある飼育グッズやロフトの設置を避ける、登れない飼育グッズ(例えば天井がフラットではない巣箱)を選ぶようにしましょう。
今後導入する飼育グッズのことも考慮する
ハムスターを飼い始めてみると、「飼育グッズを追加したい」、「飼育グッズを変えたい」などの思いが出てくるはずです。
そうなった時に飼育グッズを置くスペースがなかったり狭くなりすぎてしまうとちょっと困りますよね。
今後、飼育グッズ置くかもしれないことを想定し、余裕ある広さのケージを選ぶと良いでしょう。
ケージを衛生的に保つことはできるか?
ケージを衛生的に保つことはハムスターの病気を予防する意味でも非常に重要です。
ハムスターのケージは感覚で月一度くらいは水洗いにより掃除をするべきと考えていますが、ケージの付属品が多いほど洗う対象は増えます。
例えば、階段やロフトなどですね。
また、隙間や手が入りにくい場所が洗いにくいので不衛生になりがちです。
ケージの連結やロフト、階段などは見た目のインパクトはあれど、実用的なのかしっかり見極めましょう。
もちろん、面倒でもちゃんと洗うのであれば衛生面でも問題ないでしょう。しかし間違いなく手間なので、飼い主自身の性格を考慮して決めましょう。
ハムスターをお世話しやすいケージか?
ハムスターの日々のお世話として、トイレの砂や床材の汚れた部分の交換、餌や水の補充などがあります。
前扉はお世話をしやすいと一概に言えない
ハムスター用のケージであれば正面扉が付いていてることが大半なので、そこからお世話することも可能です。
「じゃあ、お世話がしやすいのは、正面扉が付いたケージなのか?」というと、そういう訳でもありません。
正面扉が狭すぎたり、飼育グッズが入るスペースがないと逆に面倒になります。
例えば、「ちょっと回し車が汚いから掃除をしよう」とおもった時に取り出しが面倒です。
正面扉以外に天井部から手を入れることができれば、まあ良しとしましょう。しかし、天井部から手を入れることができない場合、ケージの上下を切り離さなければなりません。
イメージは下記です。
こちらはルーミィベーシックというケージです。ルーミィは正面扉も広めなのでお世話や飼育グッズの取り出しは比較的容易ですが、イメージ画像として利用しています。
上記の通り、前扉からのお世話が不便でケージを上下で切り離すくらいなら、プラケースや水槽を利用した方がマシです。
また、お世話がしやすい前扉はちょっと目を離すとハムスターが脱走するリスクもあります。
軽めのケージは取り回しが楽
「ケージの重さ」と「持ちやすさ」も重要なケージ選びのポイントです。
お世話の際にケージを持ったり運んだりすることも少なからずあるからです。
ガラス製のケージは重くなりがちです。プラスチックケージや金網ケージはそれほど重くはないです。
例を出します。「グラスハーモニー450」は前面・側面・背面にガラス製、その他がケージのトレイ部分や天井はプラスチック製のケージです。
ルーミィベーシックは、ケージの天井部の通気口のフタが金属なこと以外はプラスチックです。
ケージ素材 | ケージ名 | 重量 ※メーカー表記のまま記載 |
ガラス/プラスチック | グラスハーモニー450 | 3,750g |
プラスチック | ルーミィベーシック | 1.3kg |
上記結果の通り、ガラス製は重さがネックです。オールグラスの水槽などはもっと重いでしょう。
ハムスターを鑑賞しやすいか?
ハムスターは大半の時間はケージで暮らします。
ケージからハムスターを散歩させたり、コミュニケーションを取ったりすることもあるでしょうが、それは僅かな時間です。
つまり、ケージからハムスターを見ている時間の方が長いので、「ハムスターを鑑賞しやすいか?」という観点もケージ選びの重要なポイントです。
一番ストレスなく見れるのは、「透明」で「ガラス製」で「継ぎ目のない」水槽タイプでしょう。
プラスチック製も新品状態ではクリアで見やすいですが、細かい傷が入りやすく、数カ月ほどで「明らかに見づらくなってきた」と思うでしょう。
特に鑑賞のしやすさと他の選ぶポイントとトレードオフなところがあります。
ガラス製は重く、プラスチック製に比べお世話する際、負担になるかもしれません。
継ぎ目のないケージは前扉のあるハムスター用ケージでは存在しないと言えますので、飼育グッズを取り付ける際、不便に感じたり、接しにくく感じる可能性があります。
ハムスターと接しやすいか?
ハムスターは真上から手が伸びて来ることを嫌います。
ハムスターと接しやすいケージとは、そういった人の手が真上から来ないように配慮されたケージのことです。
実際に下記を見てもらった方が早いでしょう。
グラスハーモニーは、フルオープンな観音扉でまさに接しやすさを売りにしています。
ルーミィも前扉に登ってくるハムスターと接しやすいでしょう。
接しやすいケージはメリットもありますが、デメリットも大きいです。
一番のデメリットは「脱走」でしょう。こういったケージは前扉をロックできますが、閉め忘れると脱走されるリスクがあります。
ここから個々のケージの話になってしまうで簡素に留めますが、ルーミィもグラスハーモニーも正直前扉のロックがイマイチです。
ルーミィ(特にルーミィ 60 ベーシック)は前扉をロックするつまみが固すぎだし、グラスハーモニーは緩すぎます。(先日グラスハーモニーは扉が開けられてしまい、脱走されました)
要は良く事ばかりではないということは念頭に置いて欲しいということです。
「正面扉がないプラケースや水槽ではハムスターと仲良くなれない」と解釈しないでください。
接し方に気を付ければ、プラケースや水槽でもハムスターと仲良くなることは可能です。
まとめ
さいごにまとめます。
- ケージの種類は金網ケージと水槽ケージがあるが、特徴を理解して適切な物を選ぶべき
- 特に怪我リスクのある金網ケージは商品選び慎重に
- ハムスターにとって適切なケージサイズを選ぶ
- 手持ちの飼育グッズを置くスペースがあるか、飼育グッズを追加する余裕があるか要確認
- ケージ内のみならず、ケージの底などに飼育グッズを取り付けることも念頭に置く
- ケージを衛生的に保つことはハムスターが病気にならないためにも重要
- シンプルなケージは洗いやすい
- 手が入りづらい隙間や溝、階段やロフト付属品が付いているものは洗いづらく手間
- ハムスターをお世話しやすいケージか
- 前扉があるケージ=お世話がしやすいではない
- 水槽ケージの場合、素材により重さが異なり、ガラス製はプラスチック製に比べ遥かに重い
- ハムスターを鑑賞しやすさは、忘れがちだが、ケージ選びの重要なポイント
- 透明、ガラス製、継ぎ目がないケージが鑑賞しやすいケージ
- プラスチック製は傷が入りやすい
- ハムスターとは接しやすいケージとは、ハムスターと触れ合う際に人の手が真上にこないように設計されたケージ
- デメリットは脱走されやすいこと
- 前扉がないプラケースや水槽であっても接し方次第でハムスターと仲良くなることは可能
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